2025年のMLBワールドシリーズで、ロサンゼルス・ドジャースの右腕・山本由伸が見せた投球は、全米と日本を同時に沸かせた。
第7戦で延長11回を無失点に抑え、ドジャースを2年連続の世界一へ導いた。
日本人投手として初のワールドシリーズMVPに輝いたその瞬間から、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、中南米、そして日本国内まで、反響が連鎖した。
この記事では、監督や選手の声、海外メディアの論調、経済・文化的影響までを時系列で整理する。
ワールドシリーズ第7戦 ― 「中0日」で掴んだ栄光
第7戦(日本時間11月2日)、ドジャースはブルージェイズと対戦。試合は延長にもつれ込む激戦となった。
ロバーツ監督が送り出したのは、中0日で志願登板した山本由伸だった。
山本は9回途中から登板し、2回2/3を無失点。延長11回の勝利を決定づけた。
チームは5-4で勝利し、2年連続のワールドシリーズ制覇を達成した(中日スポーツ、Full-Count=11月2日)。
試合後、ロバーツ監督は「彼がいなければ勝てなかった。中0日登板は本人の提案だった」と語った(報知 11月2日)。
GMアンドリュー・フリードマンも「“自分が行きます”と言った。それがMVPの所以だ」と証言している(THE DIGEST 11月2日)。
捕手ウィル・スミスは「『今日は任せろ』の一言で全員が安心した」と振り返り、
ムーキー・ベッツは「“Losing isn’t an option(負けは選択肢にない)”はロッカールームの合言葉になった」と語った(サンスポ、THE ANSWER 11月3日)。
対戦チーム・他球団からも敬意
ブルージェイズのジョン・シュナイダー監督は「球質が最後まで落ちなかった」と評価。
主砲ゲレーロJr.は「スプリットは見えた瞬間に消える」と話し、
ヤンキースのアーロン・ジャッジも「中0日登板にリスペクトしかない」とコメントした(サンスポ、THE DIGEST 11月4日)。
シーズンを通じて山本の投球を観察してきたMLB解説者たちも「彼は単なる新人ではなく、MLBの基準を塗り替えた」と報じている。
海外メディア「伝説」「王朝の核」と報道
MLB公式は「Yamamoto delivers on the biggest stage(最大の舞台で結果を出した)」と見出しをつけ(Full-Count 11月2日)、
ESPNは「精密な制球と冷静さでシリーズを支配した」と分析した。
ロサンゼルス・タイムズは「山本の冷静さがドジャース王朝を象徴した」と伝えた(報知 11月4日)。
イギリスの『ガーディアン』は「Japanese ace leads LA repeat(日本人エースが連覇導く)」、
スペインの『マルカ』は「侍の精神はMLBに生きている」と報道。
フランスのAFP通信は「完璧主義者が野球の常識を書き換えた」と報じ、
メキシコ紙『レフォルマ』は「MLBに新しい支配者現る」と表現した。
北米最大のスポーツ専門サイト「Sportsnet」は「敵地での3勝は史上初」と紹介し、
米誌『Sports Illustrated』は「ポストシーズンの伝説に名を刻んだ」と総括した(THE DIGEST、デイリー 11月4日)。
日本のレジェンドたちも称賛
王貞治氏は「日本野球の誇り」と述べ、栗山英樹氏は「精神面の成熟が群を抜いている」と評価。
ダルビッシュ有は「由伸、最高」とSNSに投稿し、佐々木朗希は「すごすぎて言葉が出ない」とコメントした(報知、THE ANSWER 11月3日)。
日本の野球界では「WBC以降の日本投手の成功を象徴する存在」としての位置づけが広がった。
セレブと政界の反応 ― 「山本現象」アメリカを席巻
NBAのレブロン・ジェームズは「この山本という男は別格だ」とSNSで投稿。
ノバク・ジョコビッチは「集中力が信じられない」、
ゴルフ界のタイガー・ウッズは「完璧なテンポ」と称賛し、
俳優トム・クルーズは「彼こそ野球界のトップガン」とコメントした(THE DIGEST、スポニチ 11月5日)。
政治家にも波及した。
ジョー・バイデン米大統領は「日本の若者がアメリカンドリームを体現した」と声明を出し(FNN 11月4日)、
カナダのトルドー首相も「敗れたのは残念だが、彼は素晴らしかった」とコメントした(共同通信 11月3日)。
日本国内も“山本フィーバー”
第7戦の国内視聴者は約2191万人(スポニチ 11月4日)。
第6戦のNHK総合中継は平均20.7%(瞬間23.7%)を記録し、午前帯としては異例の高水準となった(日刊スポーツ、報知 11月4日)。
この数字は、東京オリンピック以来のスポーツ中継最高水準である。
優勝記念グッズは即日完売し、山本着用の黒×金WSジャケットはネット販売開始直後に在庫が消えた(中日スポーツ 11月4日)。
宮崎県都城市では号外が配布され、岡山県備前市では振る舞い酒イベントが開催された(山陽新聞、RSK 11月3日)。
報道番組では「日本全体が一つのチームになった」とするコメントが相次いだ。
「Losing isn’t an option」― 言葉が文化になる瞬間
ロサンゼルスでの優勝パレードでは、山本本人が英語で「Losing isn’t an option」と発言(THE ANSWER 11月4日)。
この言葉はもともとファンコミュニティで用いられていたが、本人が口にしたことで一気に広まった。
SNSでは#LosingIsntAnOptionが世界トレンド1位となり、国内でもニュース番組で取り上げられた(FNNプライムオンライン 11月5日)。
2025年の流行語大賞候補としても報じられ、英語教育や広告分野でも活用が進んでいる。
経済効果とブランド戦略
AERA(11月5日)は「日本企業スポンサー露出が米スポーツ界で首位、関連収益は300億円規模」と報じた。
また、ニューバランスは北米で「Losing isn’t an option.」を冠した広告キャンペーンを開始(報知、THE ANSWER 11月6日)。
セイコーや三菱UFJ銀行なども同調し、“チーム山本”のブランド価値は拡大を続けている。
経済誌『東洋経済』は「山本効果でスポーツ関連株が上昇」と分析(東洋経済 11月6日)。
自治体では名誉市民授与の動きも見られ、都城市や岡山市が候補地として報じられた(RSK、中日 11月6日)。
MLB公式表彰 ― 一過性でない定着
MLB公式は11月5日、山本由伸のワールドシリーズMVPを正式発表。
続くサイ・ヤング賞ナ・リーグ部門では得票2位(MLB公式 11月6日)。
さらに「All-MLB First Team」先発部門にも初選出された(MLB公式 11月6日)。
ロバーツ監督は「来季の開幕投手は彼が筆頭」と語り、
フリードマンGMも「彼を軸にローテーションを再構築する」とコメントした(中日、THE DIGEST 11月6日)。
米メディアでは「Dodgers ace Yamamoto」という呼称が一般化し、
ロサンゼルス・タイムズは「日本から来た新人ではなく、王朝の核」と評した(報知 11月6日)。
総括 ― 山本由伸が象徴する“新時代”
2025年のワールドシリーズは、単なる優勝決定戦を超えた「文化的イベント」として記録された。
山本由伸はMLBと日本野球の架け橋として、スポーツの枠を越えた影響を生み出している。
MLB公式表彰・ブランド戦略・経済効果がすべて連動し、
「Losing isn’t an option」という言葉は、勝敗を超えた価値観を象徴するフレーズとなった。
彼の存在は、一人の投手を超え、
“MLBと日本をつなぐ新時代の象徴”として今も語られ続けている。
時系列まとめ
2025年11月2日 ワールドシリーズ第7戦で山本由伸が2回2/3無失点。ドジャースが連覇、MVP受賞。
2025年11月3日 国内外から称賛コメント続出。SNSで#YamamotoMVPがトレンド入り。
2025年11月4日 「Losing isn’t an option」世界的トレンド。都城市・備前市で祝賀イベント。
2025年11月5日 MLB公式がWS MVP正式発表。
2025年11月6日 サイ・ヤング賞2位、All-MLB選出、ブランド広告展開開始。
出典:
報知新聞、中日スポーツ、スポニチ、日刊スポーツ、THE DIGEST、Full-Count、THE ANSWER、デイリースポーツ、共同通信、FNN、AERA、東洋経済(2025年11月2〜6日)
MLB公式(2025年11月5〜6日)


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