WS GAME 6 | Dodgers 3–1 Blue Jays

山本由伸、6回1失点でドジャース逆王手

ワールドシリーズ第6戦を制す / フェンス下の奇跡、そして第7戦へ――静寂を破った96球

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導入――崖っぷちを引き戻した「96球」:ワールドシリーズ第6戦、ドジャース3-1ブルージェイズ

2025年10月31日(日本時間11月1日)、ロジャーズ・センターで行われたワールドシリーズ第6戦は、ロサンゼルス・ドジャースが3-1でトロント・ブルージェイズを下し、シリーズを3勝3敗のタイに戻した(AP通信/MLB公式/The Guardian・現地2025/10/31)。APMLB.comThe Guardian

負ければ終わりの夜、山本由伸の投球は「余計な音」を消していくように見えた。三回に得た3点を背に、静かな六回までを刻んだ96球は、ベンチと外野席の鼓動をゆっくりと落ち着かせ、「明日」を奪い返したように感じられた。

結果と経過――三回の連鎖、九回の混乱、そして幕切れ【試合詳細】

三回、ドジャースはウィル・スミスの適時二塁打、続くムーキー・ベッツの2点適時打で一挙3点。これが決勝点になった(現地2025/10/31)。The Guardian(2025/10/31)/Sportsnet(2025/11/1)

九回、中堅後方の打球がフェンス下部に挟まり、リプレー検証を経てボールデッド(二塁打相当)と判定。これにより無死二・三塁で再開となった(MLB公式2025/11/1/日テレNEWS NNN2025/11/1)。MLB.com/日テレNEWS

続く打者の浅い左飛をキケ・ヘルナンデスがランニングキャッチ。即座に二塁へ送球し、ミゲル・ロハスが難しいワンバウンドを止めて飛び出した走者を刺した。AP通信(2025/10/31)によれば、ポストシーズン史上初の「LF→2B」でのゲームエンディング・ダブルプレーとなった※(AP記述の要約)。

歓声が渦を巻く中、送球の軌道は一本の矢のように二塁へ吸い込まれた。ロハスのグラブが土をはね、スタンドの息が止まる。その一瞬が、シリーズを「続き」へと接続したように思えた。

山本由伸――6回96球、5安打1失点6K。シリーズ2勝目の「質」

山本由伸は6回を投げて5安打1失点、6奪三振、96球で降板。今シリーズ2勝目。ポストシーズン通算でも防御率1点台を維持した(AP通信2025/10/31/MLB公式2025/11/1)。

6回2死一、二塁ではダルトン・バーショをスプリットで空振り三振。映像確認でも制球は終盤まで落ちなかった(Sportsnet2025/11/1)。

乱入による一時中断を挟んでも、彼の表情に焦りは見られなかった。呼吸を整え、グラブの角度を少しだけ変えただけで空気が再び整う。その静けさが、ドジャースベンチ全体の空気を引き締めていた。

ガウスマン――8Kで好投、それでも分岐は三回にあった

ブルージェイズ先発ケビン・ガウスマンは6回3失点、8奪三振と試合を作ったが、三回の「申告敬遠(大谷)→スミス適時二塁打→ベッツ2点打」で失点が集中。チームは1-3で敗戦(中日スポーツ/AP2025/10/31)。

宝刀スプリットは冴えていた。だが、三回だけはベッツの一振りに空気が反転したように感じられた。好投と黒星、その薄い境界線にワールドシリーズの残酷さがにじんでいた。

九回の二つの判断――「フェンス挟まり」と「LF→2B」【ルールと技術】

中堅フェンス下端にボールが挟まった場合、外野手がボールデッドを申告すれば二塁打相当の進塁が認められる。MLB公式ルール5.05(a)(7)に準拠(MLB.com2025/11/1)。

試合後、ブルージェイズのジョン・シュナイダー監督は「この球場に長くいるが、あんなふうに挟まるのは初めて見た。運が悪かった」とコメント(スポーツ報知2025/11/1日本時間)。また、最終プレーについては「本当にワイルドな幕切れだった」と述べた。スポーツ報知

キケ・ヘルナンデスのランニングキャッチとロハスの捕球について、シュナイダー監督は「強い送球、的確な判断、見事なプレーだった」と認めている(同)。

勝負の神経は紙一重の判断に宿る。相手指揮官の言葉にも、それを見抜く敬意がにじんでいた。

監督たちの声――ロバーツは「ショウヘイも可能性ある」

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は試合後の会見で「明日の先発は未定」と明言(デイリースポーツ2025/11/1日本時間)。「ヨシノブ以外は全員投げられる。ショウヘイも可能性ある。グラスノーも可能性ある」と語った。デイリースポーツ

九回のピンチでグラスノーを投入した采配については「これは第7戦なので、これまでやったことのないこともたくさんある。選手を信じて勝つために戦うだけだ」と説明(同)。

「最高の気分です」と笑ったロバーツの顔には、総力戦を乗り切った安堵と、まだ終わっていない緊張が共存していた。

第7戦の構図――シャーザー vs. 大谷翔平? それぞれの運命を抱いて

ブルージェイズは第7戦に通算221勝・サイ・ヤング賞3度のマックス・シャーザー(41歳)を先発に立てるとシュナイダー監督が会見で明言(スポーツ報知2025/11/1日本時間)。「スポーツで最も素晴らしい二つの単語『GAME SEVEN』。そのマウンドに立つのがマックスというのは最高だ」と語った。スポーツ報知

ドジャース側は先発未定ながら、大谷翔平の中3日先発案が残る(デイリースポーツ2025/11/1)。「決定には近づいている」と監督が明かした(同)。

41歳の右腕と、30歳の二刀流。キャリアと時代が交錯する第7戦は、単なる勝敗を超えた“象徴の投げ合い”になるかもしれない。

まとめ――数字のむこうにある“生還”

スコアは3-1。シリーズは3-3。史上初のLF→2Bでの最終併殺が刻まれた夜、ドジャースは連覇への挑戦権を確保した(AP通信2025/10/31)。

「96球が、崖っぷちを引き戻した」。数字はただの記録だが、この夜の96は“生還”の別名だった――そう感じさせる静かな強度が、山本の投球にはあった。

FAQ

Q1:フェンスに“挟まった”打球は何塁打?
グラウンドルール上はボールデッドが適用され、二塁打相当(ランナーは二つの進塁が認められる)。本件はリプレーで確認済み(MLB.com2025/11/1)。(日本時間2025年11月1日18時時点)

Q2:山本由伸の第6戦の詳細は?
6回96球、5安打1失点、6奪三振。シリーズ2勝目(AP通信2025/10/31/MLB公式2025/11/1)。(日本時間2025年11月1日18時時点)

Q3:第7戦の先発は確定?
執筆時点では未確定。ただし大谷翔平の“短い先発”が有力視される報道がある(The Guardian2025/11/1)。(日本時間2025年11月1日18時時点)

情報ソース(一次・権威メディア/日時)

・AP通信(2025/10/31現地)/MLB.com(2025/11/1 UTC)/The Guardian(2025/10/31-11/1現地)/Sportsnet(2025/11/1)/日テレNEWS(2025/11/1)/スポーツ報知(2025/11/1)/デイリースポーツ(2025/11/1)

注意書き(報道精度・倫理)

・本文の断定表現は、AP通信/MLB公式/The Guardian/日本報道各社(報知・デイリー)など一次・準一次情報に基づいています。
・叙情表現は観察的描写に留め、創作的再構成は行っていません。
・スコア、登板内容、コメントはすべて日本時間2025年11月1日18時時点の公式記録です。


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