ナ・リーグ地区シリーズ(第1戦、現地4日=フィラデルフィア)。ドジャースは大谷翔平の力投と佐々木朗希の好救援でフィリーズに5-3で先勝。カブスの鈴木誠也は無安打に終わった。日本人3選手の動きを振り返る。
大谷翔平:6回3失点9奪三振でプレーオフ初勝利
大谷は先発として6回を投げ、5安打3失点、9奪三振。ポストシーズン初登板で勝利投手となった。打者としては4打数無安打、4三振、1四球だった。
フィリーズの主軸、ハーパーとシュワーバーには計4打席で被安打ゼロ。要所で高めのフォーシームと外角スライダーを使い分け、強打者を封じた。
9回のフォアボールに隠された意図
6回でマウンドを降りた大谷は、9回にも打席に立った。この場面で彼は、粘って球数を稼ぎながらフォアボールを選択。結果的に佐々木朗希の登板準備時間を確保する形となった。
試合後、大谷はNHK「ワースポ×MLB」の取材に対し、「監督から時間を稼いでほしいという指示がありました。そういう意味ではいいフォアボールになったと思います」と語った(10月5日放送)。日刊スポーツやスポニチも同趣旨のコメントを報じている。
ロバーツ監督も「朗希に少し準備の時間を与えたかった」と語ったと伝えられており、このフォアボールはチーム戦略の一部として機能した。
佐々木朗希:9回を無失点に抑え、ポストシーズン初セーブ
9回から登板した佐々木朗希は、最速162キロのストレートとスプリットを武器に1安打無失点。メジャー移籍後、初のポストシーズン登板でセーブを挙げた。
日本人選手として、先発(大谷)と救援(佐々木)が同一試合で勝利・セーブを記録するのはMLB史上初の快挙。MLB公式サイトも「Japanese history in the postseason」と伝えている。
鈴木誠也:初戦は無安打
カブスの鈴木誠也は、ブルワーズとの地区シリーズ第1戦に4番右翼で先発出場したが、4打数無安打に終わった。時事通信によると、ペラルタの伸びのある速球と制球力に苦しんだという。
試合の流れ
ドジャースは6回にキケ・ヘルナンデスの2点二塁打で反撃。7回にはテオスカー・ヘルナンデスの3ラン本塁打で逆転し、試合を決めた。打線と投手陣が噛み合った勝利だった。
日本人選手の成績まとめ
選手 | 所属 | 結果 | 主なポイント |
---|---|---|---|
大谷翔平 | ドジャース | 6回3失点・9奪三振で勝利投手 | 9回は監督指示で時間を調整し、フォアボールを選択(本人発言) |
佐々木朗希 | ドジャース | 1回1安打無失点でセーブ | MLB史上初、日本人先発&救援の勝利・セーブ同時達成 |
鈴木誠也 | カブス | 4打数0安打 | 相手先発ペラルタの制球に対応できず |
主な出典
- MLB.com|With Ohtani’s win, Sasaki’s save, LA makes Japanese postseason history
- AP通信|Hernández’s homer lifts Ohtani and Dodgers past Phillies 5–3
- ロイター通信|Teoscar Hernández’s 3-run blast powers Dodgers past Phillies
- 日刊スポーツ|大谷「時間を稼いでほしいってオーダーが出ていた」
- スポニチ|大谷、監督の指示で時間稼ぎ「いいフォアボールになった」
- 時事通信|MLB日本人選手トゥデイ
※本文は10月5日時点の試合結果と放送・報道に基づいて構成。NHK「ワースポ×MLB」での本人発言を一次情報として引用しています。
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