こんにちは、旬野 輝(しゅんの・あきら)です。
ここ数日、「オープンAI 社内に『非常事態』宣言」「Googleの最新AI gemini3.0」「ChatGPTはどうなる?」というニュースが一気に流れ込んできました。
正直、仕事が忙しいなかでこの手のニュースを追うのはしんどいですよね。
- 結局、何が起きているのか?
- gemini3.0って、ChatGPTとなにが違うのか?
- 僕たちの仕事や生活に、どんな影響があるのか?
この記事では、むずかしい専門用語をできるだけ封印して、たとえ話と具体例多めで、「いま何が起きているのか」を一緒に整理していきます。
1. オープンAI社内に「非常事態」宣言──まずはニュースをざっくり整理
1-1. 何が起きたのか?
2025年12月は、AI業界にとってかなりざわつく月になりました。
アメリカのオープンAIで、サム・アルトマンCEOが社内向けのメモで、いわゆる「コード・レッド(非常事態)」を宣言した、と複数のメディアが報じています。
- ウォール・ストリート・ジャーナル:
「ChatGPTの品質を高めるために、社内リソースを集中させるよう指示した」ことを報道 - FNN(フジテレビ):「オープンAI 社内に『非常事態』宣言 『チャットGPT』品質向上へ グーグルの最新AIモデルなどに危機感か」と見出しで伝える
- NHK:X(旧Twitter)で「米オープンAI 社内に『非常事態』宣言 ChatGPT改良に集中 指示」と投稿
要するに、アルトマンCEOは社員にこう伝えた、とされています。
「広告や新しいサービス開発はいったん後回し。とにかくChatGPTの質を上げることを最優先にしよう」
お金になりそうなプロジェクト(広告・新サービス・エージェントなど)を後ろに回してでも、
- ChatGPTのスピード
- 信頼性(間違いを減らす)
- パーソナライズ(人によって最適な回答)
を優先する方針を取った、という形です。
1-2. なぜそこまで焦っているのか?
背景にあるとされているのが、まさにこの記事の主役であるGoogleの最新AIモデル「gemini3.0」です。
- 各種テスト(ベンチマーク)で、Gemini 3 ProがChatGPT(GPT-5.1)を上回る場面が増えてきた
- Google検索、Gmail、YouTube、Androidなど、Googleが持つサービスの「頭脳」を順次Gemini 3に差し替え中
英メディアや通信社の分析では、
「ChatGPTがGoogleに“コードレッド”を出させた2022年から3年。
今度はGemini 3がOpenAI側に“非常事態”を宣言させた」
という“立場の逆転”として語られています。
2. そもそもgemini3.0とは?一言でいうと「五感を持ったAI秘書」
ここからは、難しい言葉をできるだけ封印して、イメージで掴んでいきましょう。
2-1. ChatGPTと比べたイメージ
- ChatGPT(GPT-5.1):文章と会話にすごく強い「超優秀な家庭教師」
- gemini3.0(Gemini 3 Pro):
文章も画像も動画もまとめて理解して、提案までしてくれる「オールラウンダー秘書」
Google公式ブログでも、Gemini 3は
「これまでで最も高性能なモデル」「最も知的なモデル」
と紹介されていて、いまのGoogle製AIの“トップ脳”という扱いになっています。
(参考:Gemini 3 による知性の新時代|Google 公式ブログ)
2-2. どんなことができるのか?ざっくり3行で
- 長い資料やメールの山を丸ごと読んで、要約・整理・提案ができる
- 画像・動画・音声まで一緒に渡して、「ここからスライド作って」「改善点教えて」と頼める
- むずかしいパズルや理系の問題も、じっくり考えるモード(Deep Think)でかなり高い正答率を出す
ここからは、この「すごさ」をもう少しかみ砕いていきます。
3. 専門用語なしで理解する「gemini3.0のすごさ」3ポイント
3-1. コンテキスト=AIが持てる「ノートのページ数」がめちゃくちゃ多い
AIの専門用語でよく出てくる「コンテキストウィンドウ」は、
AIが一度に覚えていられる情報の量だと思ってください。
人間で例えると、
- ノートが5ページしかない人:すぐに前の話を忘れる
- ノートが分厚い人:過去のメモも見返しながら話せる
Googleによると、Gemini 3 Proは最大100万トークンという非常に大きなコンテキストを扱えるように設計されています。
ざっくり言うと、
- 数百ページのPDF
- 1年分の議事録
- 長時間の講義の文字起こし
といったレベルの情報をまるごと“1回の会話”の中で参照できるイメージです。
(参考:Google Gemini 3 Benchmarks (Explained)|Vellum)
3-2. マルチモーダル=文字だけじゃなく「五感で理解するAI」
Gemini 3 Proは、Google DeepMindの公式ページでも
- テキスト(文章)
- 画像
- 動画
- 音声
- コード(プログラム)
などをまとめて扱えるモデルだと説明されています。
(参考:Gemini 3 Pro|Google DeepMind)
たとえばこんな感じの使い方が想像できます。
- 手書きメモの写真+関連メール+提案資料の下書き
→「これ全部まとめて、社内プレゼン用のスライドにして」 - スポーツの試合動画
→「自分の悪い癖と、来月までに直すための練習メニューを教えて」 - 研究論文のPDF+講義動画
→「分かりやすい図と例えを使って、初心者向けに解説して」
こういう「現実のタスク」をそのまま丸投げしやすいのが、Gemini 3世代らしさです。
3-3. Deep Thinkモード=「早口で答えるか」「じっくり考えるか」を選べる
Googleは公式ブログで、Gemini 3 Deep Thinkというモードも紹介しています。
これは簡単に言うと、
- 通常モード:すばやく答えるけど、そこまで深く考えない
- Deep Thinkモード:時間をかけてじっくり考える(そのぶん計算コストもかかる)
人間で言えば、
- 「第一印象でパッと答える」
- 「紙に書き出して、筋道を整理してから答える」
の違いに近いです。
実際、Google公式や各種解説によると、Deep Thinkモードでは
- Humanity’s Last Exam(大学レベルの学術問題):Gemini 3 Proをさらに上回るスコア
- GPQA Diamond(高度な科学知識のテスト):93.8%という非常に高い正答率
- ARC-AGI-2(抽象的な図形パズル):45.1%と「人類未踏」と言われるスコア
など、「頭フル回転系」のテストで大きく点数を伸ばしています。
(参考:Gemini 3 による知性の新時代、Google「Gemini 3」発表:最高性能AIモデルの実力)
4. ベンチマーク=AIの「全国模試」で何が起きているのか
4-1. ベンチマークは「全国模試」だと思えばOK
ニュースでよく見る
- 「ARC-AGI-2で45.1%」
- 「GPQA Diamondで91.9%」
といった数字。これはAIにとっての「全国模試の点数」だと思ってください。
代表的なテストをざっくりまとめると:
- ARC-AGI-2:未知の図形パズルをどれだけ解けるか(抽象的な思考力)
- GPQA Diamond:物理・化学・生物などの高度な理系問題
- Humanity’s Last Exam:大学レベルの教科書・論文を使った学術問題
4-2. Gemini 3 Pro vs GPT-5.1 のざっくり傾向
Google DeepMindが公開している公式の比較表を見ると、Gemini 3 Proは:
- ARC-AGI-2:31.1%(Deep Thinkでさらに向上)
- GPQA Diamond:91.9%(GPT-5.1は88.1%)
- Humanity’s Last Exam:37.5%(GPT-5.1は26.5%)
とされています。
つまり、
- 抽象的な図形パズル
- 理系のむずかしい問題
- 論文レベルの学術問題
といった「頭の使い方が難しいタイプ」のテストでは、Gemini 3 ProがGPT-5.1をかなりリードしている、というのが現状の見立てです。
(参考:Gemini 3 Pro|Google DeepMind、ついに「Gemini 3」が登場|Gigazine)
もちろん、「テストで勝っている=すべての場面で最強」ではありません。
ただ、オープンAI側が「非常事態」とまで言い出した背景として、
「難しい問題やマルチメディアなタスクでは、Gemini 3 Proのほうが明確に強い場面が出てきた」
という事実は無視できないポイントです。
5. ChatGPT 5.1 vs gemini3.0──どう使い分けるのが現実的?
では、僕たちユーザーから見て、
「どっちをどう使い分けるか」をシンプルに整理してみます。
5-1. Gemini 3.0(Gemini 3 Pro)が向いている場面
- 長いPDFや大量の資料を一気に処理したい
→ 仕様書・契約書・議事録を読み込ませて、要約+論点整理をさせる - 画像・動画・音声も含めて相談したい
→ 研修動画を渡して「新入社員向けの資料にして」と頼む、など - 抽象的なパズルや、理系の難問に取り組む
→ データ分析や研究開発にからむ質問 - Googleのサービスをよく使う
→ Gmail、カレンダー、Docs、スプレッドシート、スライドと連携させたい
5-2. ChatGPT 5.1が向いている場面
- テキスト中心のブレストや文章作成
→ メール文面、ブログの下書き、広告コピーなど - コーディングと開発フロー
→ すでにChatGPTベースでワークフローを組んでいるエンジニア - プラグイン・外部ツールとの連携
→ Notion連携、ブラウザ自動操作など、エコシステムを活かしたい場合
ざっくりまとめると、
- Gemini 3.0:「資料も動画もまるっと預かる総合秘書」
- ChatGPT 5.1:「文章とコードにめちゃ強い参謀エンジニア」
という感じで、仕事ごとに使い分けるのが現実的です。
6. 料金と無料枠の「いまの空気感」
細かい数字は変わりやすいのでざっくりですが、2025年12月時点での流れだけ押さえておきます。
6-1. Gemini 3 Pro側の動き
- Geminiアプリ(ブラウザ・スマホ)で、Gemini 3 Proが順次ロールアウト中
- Google AI Plus / Pro / Ultraなどの有料プランでは、より高い利用上限
- 無料ユーザーは、「basic access(基本アクセス)」という形で回数少なめに制限
- 画像生成は無料だと1日2〜3枚程度と言われている
(参考:Gemini Apps’ release notes、Google and OpenAI are cutting back free usage…)
6-2. 共通するトレンド:「無料で使い放題の時代」は終わりつつある
最近の大きな流れとして、
- Google(Gemini 3 Pro)
- OpenAI(Sora 2、ChatGPTの高機能版)
の両方が、無料で使える量を明確に絞り始めた、という点があります。
これは裏を返すと、
- 「ちょっと試す」程度なら無料枠でもOK
- 「仕事でガッツリ使う」なら有料プラン前提で考える
という時代に入った、ということです。
7. 「非常事態」はユーザーにとってチャンスでもある
ここまでを一度、整理して締めましょう。
- オープンAI 社内に「非常事態」宣言が出たのは、
Googleのgemini3.0(Gemini 3 Pro)がテストや実利用で存在感を増してきたから - Gemini 3 Proは、長い記憶+マルチモーダル+Deep Thinkで、
難しい問題やマルチメディアなタスクに強みを持つ - ベンチマーク(全国模試)では、学術・理系・抽象パズル系でGPT-5.1をリード
- 一方で、ChatGPT 5.1はテキスト中心の会話や開発エコシステムなど、まだまだ強みが多い
- 無料での“使い放題”は終わりつつあり、仕事レベルでは有料プラン前提の時代へ
そして、何よりも大事だと僕が思うのは、
「どのAIが最強か」ではなく、
「自分の仕事には、どのAIが一番役立つか」を考えること
です。
- 長い資料や動画を整理したい → Gemini 3.0を軸に
- 文章やコード中心で回している → ChatGPT 5.1も併用
- どちらも使える環境なら → 同じタスクを両方に投げて比べてみる
オープンAIやGoogleにとっては「非常事態」かもしれませんが、
ユーザーにとっては「AIを選べる時代が本格的に来た」というチャンスでもあります。
今日この記事を読んだタイミングが、
あなたの仕事にとっての「AIの使い方をアップデートする日」になれば嬉しいです。
情報ソース・参考リンク
- オープンAI 社内に「非常事態」宣言 「チャットGPT」品質向上へ グーグルの最新AIモデルなどに危機感か|FNN
- OpenAI’s Altman Declares ‘Code Red’ to Improve ChatGPT|WSJ
- Gemini 3 による知性の新時代|Google 公式ブログ(日本語)
- Gemini 3 Pro|Google DeepMind(ベンチマーク一覧)
- Google Gemini 3 Benchmarks (Explained)|Vellum
- ついに「Gemini 3」が登場、無料で使えてGPT-5.1やGrok 4.1より高性能|Gigazine
- [技術紹介]Google「Gemini 3」発表:最高性能AIモデルの実力とGoogle Antigravity
※本記事の内容は、上記の一次情報および複数の海外・国内メディアの報道をもとに、2025年12月4日時点の情報を整理・翻訳したものです。仕様・料金・提供範囲は今後変更される可能性があるため、最新情報は必ず公式サイト・公式ドキュメントをご確認ください。

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