イタリア・ミラノの夜、静まり返ったリンクにエッジが氷を削る音だけが響いていました。僕は画面越しに、思わず祈るように手を合わせていました。4年前の北京で見せた、あの弾けるような「りくりゅうスマイル」とは違う、どこか研ぎ澄まされた、けれど少しだけ「魔物」の気配を感じる緊張感。
三浦璃来選手の瞳に宿る不屈の光と、彼女を包み込むように支える木原龍一選手の大きな背中。結果はショートプログラム(SP)5位。数字だけを見れば「まさか」という言葉が漏れるかもしれません。でも、そこには単なるミスでは片付けられない、二人が積み上げてきた時間の重みと、ある一人の女性から受け継いだ「日本ペアの魂」が流れていました。
【五輪速報】りくりゅうペアSP5位の衝撃。三浦璃来・木原龍一を襲った「魔物」の正体
2026年2月15日(現地時間)に行われたフィギュアスケート・ペアのショートプログラム。金メダル候補筆頭として登場した三浦璃来・木原龍一組、愛称「りくりゅう」の結果は、72.15点の5位発進となりました。
演技冒頭の3回転ツイストリフトは完璧。しかし、中盤のリフトでわずかなバランスの崩れがありました。普段の彼らなら考えられないようなミス。これこそがオリンピックという舞台に潜む「魔物」なのかもしれません。首位のドイツペアとは約10点の差がつきました。
「悔しいけれど、これが今の僕たちの現実」
演技後のミックスゾーンで、木原選手は静かに、けれど力強く語りました。隣で唇を噛みしめる三浦選手の肩を、彼の手が優しく叩きます。この数秒間の沈黙に、僕は彼らの成熟を感じずにはいられませんでした。かつてなら涙に暮れていたかもしれない三浦選手が、今はしっかりと前を見据え、冬季オリンピックという巨大な壁に再び挑もうとしているのです。
木原龍一の歩んだ12年。高橋成美との別れ、挫折、そして「最高の相棒」に巡り合うまで
今でこそ世界王者として君臨する木原選手ですが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。彼のペアとしての原点は、2014年ソチ五輪を共に戦った高橋成美さん(たかはしなるみ)とのペアにあります。
当時、日本ペア界を牽引していた高橋成美・木原龍一組。しかし、世界の壁は厚く、ペア解消という苦い経験も味わいました。その後、パートナー不在の期間や、度重なる怪我。「もう引退かもしれない」――そんな暗闇の中にいた彼を救ったのが、当時まだ10代だった三浦璃来選手との出会いでした。
高橋成美さんが築いた「日本でもペアはできる」という希望のバトン。それを木原龍一選手が受け取り、三浦選手という「運命のピース」と出会ったことで、物語は一気に加速したのです。かつてのパートナーである高橋さんも、現在は解説者として彼らにエールを送っています。フィギュアスケート・高橋成美という先駆者がいたからこそ、今の「りくりゅう」がある。その歴史の連続性に、胸が熱くなります。
りくりゅうペアの関係はカップル以上?「信頼」が生む世界一のツイストリフト
検索ワードで常に上位にくるのが「りくりゅう カップル」「りくりゅうペア 関係」といった言葉です。氷の上で見せる、まるで見えない糸で繋がっているかのようなシンクロ率。演技後のハグや、リンクサイドで見せる仲睦まじい様子に、「二人は付き合っているの?」と気になるファンも多いでしょう。
しかし、彼らの関係を「恋愛」という一言で括ってしまうのは、少しもったいない気がします。それは、お互いの人生を預け合う「魂の同期」に近いもの。誰よりも近くにいるのに、誰よりも高く舞い上がる。三浦選手を空中に放り投げる際、木原選手は彼女の呼吸、指先の震えまで感じ取っていると言います。
りく りゅう ペア キスのようなシーンを期待する声もありますが、彼らがリンクで見せるのは、もっと深く、静かな愛情です。それは、絶望の淵から這い上がってきた二人だけが共有できる「絶対的な信頼」。あのリフトの高さは、三浦選手が「龍一くんなら絶対に受け止めてくれる」と信じ切っているからこそ到達できる、世界一の景色なのです。
逆転の金メダルへ。フリーで見せる、僕たちが愛する“りくりゅう”の真骨頂
さて、気になるのは今後の日程と、逆転の可能性です。首位とは点差がありますが、フィギュアスケート・ペアはフリーで大きく順位が入れ替わる種目でもあります。
明日のフリープログラム。彼らが滑るのは、今シーズン磨き上げてきた渾身のプログラムです。技術点はもちろん、二人の「ストーリー性」が評価される演技構成点は、世界でも群を抜いています。ミスを引きずらず、いかに「自分たちのスケート」を楽しめるか。りくりゅうペア 時間が許す限り、彼らは今この瞬間も、ミラノの氷の上で調整を続けているはずです。
もし、運命という言葉があるのなら。三浦璃来と木原龍一が出会ったこと以外に、相応しい言葉は見当たません。かつての挫折は、今日の飛躍のためにあった。僕たちは、逆転劇という名の最高のシナリオが始まる瞬間を、今か今かと待っています。
よくある質問(FAQ)
Q:りくりゅうペアのフリー演技はいつですか?
A:2026年2月17日の午後(現地時間)、日本時間では2月17日の深夜から18日未明にかけて行われます。公式滑走順はISUのリザルトサイトで順次更新されます。
Q:木原龍一選手の過去のパートナーは誰ですか?
A:高橋成美さん、須崎海羽さんと組んでオリンピックに出場しています。現在の三浦璃来選手とは2019年から活動を開始しました。
情報ソース・引用元
- ISU (International Skating Union) – Official Results of Milano Cortina 2026
- Olympics.com – ミラノ・コルティナ2026公式サイト(日本語版)
- 公益財団法人 日本スケート連盟 – フィギュアスケート最新情報
- 朝日新聞デジタル – フィギュアスケート特集ページ
※本記事は2026年2月16日現在の情報を元に執筆しています。最新のスコアや滑走順などの詳細は、ISUおよびオリンピック公式サイトのリザルトページをご確認ください。執筆にあたっては、各ニュースメディアの現場レポートおよび公式リリースの裏取りを徹底しています。


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