ニュースで「日銀が利上げ、政策金利0.75%」という見出しを見た夜。
僕もつい、住宅ローンの返済予定表をスマホで開いてしまいました。
でも、不安の正体って「上がるかどうか」より、だいたいこれです。
- いつ上がる?(反映タイミング)
- どれくらい増える?(金額の目安)
- 自分は何を確認すべき?(手順)
この記事では、日銀の利上げ → 銀行 → 住宅ローン変動金利が伝わる道筋を、タイムラインで分解していきます。
読み終わる頃には「次にやること」が1つに絞れるはずです。
この記事の結論
変動金利は上がる可能性が高いものの、“日銀が上げた日=あなたの返済が翌月上がる”ではありません。
反映は「銀行の改定日」+「住宅ローンの基準金利見直し」+「あなたの契約ルール」でズレます。
日銀 利上げ 住宅ローン 変動金利|まず押さえる3つの事実
1)日銀は何を決めた?(政策金利0.75%の意味)
日銀は2025年12月19日の金融政策決定会合で、短期金利(無担保コール翌日物)を0.75%程度で推移するよう促す方針に変更しました(追加利上げ)。
公式資料(一次ソース)はこちらです。
海外報道でも「0.5%→0.75%」という文脈で整理されています。
ここが大事:ニュースで言う「政策金利」は、住宅ローンの金利そのものではありません。
でも、銀行の資金コストに影響して、じわじわ住宅ローンにも波が来ます。
2)変動金利は「短プラ→基準金利→適用金利」で伝わる
変動金利は多くの場合、銀行が設定する短期プライムレート(短プラ)や、その運用を通じて決まる基準金利が土台にあります。
ざっくり伝わる順番はこう。
- 日銀の政策金利(短期金利)が上がる
- 銀行の資金調達コストが上がる
- 銀行が短プラや各種金利を見直す
- 住宅ローンの基準金利を見直す
- あなたの適用金利(優遇後)に反映される
短プラの推移は日銀統計でも確認できます。
3)返済額は「すぐ増える人」と「見えないまま効く人」がいる
ここが、検索で一番モヤるところ。
多くの変動金利ローンは、金利が変わっても毎月返済額をすぐ変えない仕組み(いわゆる5年ルール・125%ルール等)を採用しています。
その場合、起きるのはこうです。
- 返済額は据え置き
- でも利息が増える
- 結果、元金の減りが遅くなる(静かなダメージ)
ルールの説明は、例えばりそな銀行のページがわかりやすいです。
ひと言でいうと
「返済額が変わらない=安心」ではなく、内訳(利息と元金)が変わっている可能性があります。
利上げ 住宅ローン 変動|「いつ上がる?」を2026年のタイムラインで見る
ここからが本題。
“いつ上がる?”の答えは、銀行ごとの「改定日」と、あなたの契約ルールで決まります。
銀行が動く「改定日」の例:短期プライムレート
一次情報として、主要銀行の公式告知を確認すると、すでに改定が出ています。
例として三菱UFJ銀行は、短期プライムレートを1.875%→2.125%(+0.25%)へ改定(改定日:2026年2月2日)と発表しています。
住宅ローン側の「基準金利見直し日」の例
さらに同銀行は、住宅ローンの変動金利について基準金利を2026年3月1日から見直す旨を告知しています(見直しの運用や適用タイミングの説明あり)。
つまり:日銀の利上げ(12/19)→ 銀行の短プラ改定(例:2/2)→ 住宅ローン基準金利見直し(例:3/1)…のように、数週間〜数か月のズレが出やすいです。
チェックのコツ
「日銀のニュース」を追うより、あなたの銀行の“住宅ローン基準金利見直し”ページを見るのが最短です。
そこに「いつから」「どの契約が」「どう反映されるか」が書いてあります。
日銀 利上げ 住宅ローン|返済額がすぐ増えない仕組み(5年ルール・125%ルール)
5年ルール:返済額は据え置きでも、利息割合は増える
変動金利では、金利が見直されても毎月返済額の見直しは5年ごとという運用がよくあります(金融機関・商品で差あり)。
このとき家計で起きるのは、返済額そのものではなく内訳の変化です。
- 利息が増える
- 元金が減りにくくなる
- 結果、残高の減りが遅くなる
イメージとしては、同じバケツに水を入れてるのに、穴(利息)が少し大きくなって、溜まるのが遅くなる感じ。
125%ルール:返済額の上昇に“上限”があるぶん、先送りが起きる
返済額が見直されるときでも、上昇幅が「前回の125%まで」などの上限が付くケースがあります(金融機関により表現や有無は異なります)。
上限があるのは家計に優しいように見えますが、別の角度から見ると増えた利息が先送りされやすい仕組みでもあります。
このあたりの説明は、りそな銀行のページが読みやすいです。
ここ、覚えておくと強い
「返済額が変わらない時期ほど、残高の減りを見ろ」
これだけで、“静かな損”を早めに発見できます。
日銀 利上げ 住宅ローン 変動金利|結局いくら増える?(月々+総支払+総利息の目安)
「結局いくら増える?」に、目安を置きます。
ここでは比較しやすいように、金利が完済まで一定と仮定した単純モデル(元利均等・35年)で示します。
注意
変動金利は途中で上下するため、下の数字は「もしこの金利がずっと続いたら」の目安です。
実際は、あなたの適用金利(優遇後)や返済額見直しルールで見え方が変わります。
早見表:3,000万/4,000万/5,000万(35年・元利均等・金利0.50%→0.75%)
| 借入額 | 0.50% 月々 | 0.75% 月々 | 月々差 | 0.50% 総支払 | 0.75% 総支払 | 総支払差 | 0.50% 総利息 | 0.75% 総利息 | 総利息差 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 約77,876円 | 約81,235円 | 約+3,360円 | 約3,271万円 | 約3,412万円 | 約+141万円 | 約271万円 | 約412万円 | 約+141万円 |
| 4,000万円 | 約103,834円 | 約108,314円 | 約+4,480円 | 約4,361万円 | 約4,549万円 | 約+188万円 | 約361万円 | 約549万円 | 約+188万円 |
| 5,000万円 | 約129,793円 | 約135,392円 | 約+5,600円 | 約5,451万円 | 約5,686万円 | 約+235万円 | 約451万円 | 約686万円 | 約+235万円 |
補足:
借入元本が同じなので、「総支払差」と「総利息差」は同じ金額になります。
※試算は比較のための単純モデル(元利均等・35年・金利一定を仮定)。実際の変動金利は途中で上下します。
ざっくり結論
「月々が数千円増える」が、完済まで一定と仮定するとトータルでは100万円単位になりやすい。
だからこそ、利上げ局面で大事なのは“恐怖”ではなく、家計が耐えられるラインを先に決めることです。
日本 利上げ 住宅ローン|いま家計でやるべきチェックリスト(3分版)
ここからは、行動の話です。
“考える順番”を間違えないことが、いちばん効きます。
①「見直し基準日」を確認(年2回/毎月など銀行差)
銀行によって、変動金利の見直しタイミングは異なります。
まずはあなたの銀行の「変動金利の基準金利見直し」ページを確認してください。
② 返済額が増えない人ほど「内訳」と「残高」を見る
返済額が据え置きでも、利息が増えて元金が減りにくくなっていないか。
返済予定表やWeb明細で「利息/元金」の欄を見てください。
マイクロピース:
「返済額が変わらない=何も起きてない、じゃない」
③ 対策は「繰上返済」より先に、生活防衛資金
利上げ局面で焦って繰上返済に走る前に、生活防衛資金(急な出費に耐える現金)を確保できているかを確認。
家計は金利に勝つより、“選択肢を残す”ほうが強いです。
日銀 利上げ 住宅ローン 変動金利|変動→固定へ乗り換える?判断の3軸
「固定にしたほうがいい?」は、検索でも永遠のテーマ。
でも判断は、金利差だけで決めると失敗しやすいです。
軸1:家計の“耐久力”(毎月いくらまで増えてOKか)
先に「増えても耐えられる額」を決めておくと、判断がブレません。
例:毎月+5,000円までなら許容、+1万円は厳しいなど。
軸2:総額よりキャッシュフロー(毎月の安心)
固定化は、将来の上昇リスクを減らす代わりに、今の返済が増えることがあります。
あなたの生活リズムに合うのはどちらか、です。
軸3:手数料・団信・条件(“乗り換えコスト”)
借り換えや固定化は、金利だけでなく諸費用が出ます。
比較するなら、銀行の試算(シミュレーション)や、返済予定表をもとに総合比較を。
判断の一言
守るべきは“金利”じゃない。生活の選択肢です。
FAQ|他の人はこちらも質問
Q1. 日銀の利上げで住宅ローンはどうなりますか?
A. 変動金利は銀行の短プラ・基準金利の見直しを経て上がる可能性が高いです。ただし反映はタイムラグがあり、契約ルール次第で「返済額がすぐ増えない」場合もあります。
Q2. 日銀が金利を上げるとどうなるの?
A. 短期金利が上がると、銀行の資金コストに影響し、預金金利やローン金利に波及しやすくなります。一方で、国債金利(長期金利)や固定金利は別ルートの影響も受けます。
Q3. 日銀の利上げで預金金利はどうなる?
A. 銀行が預金金利を引き上げる動きが出やすくなります。実際、短プラ改定とあわせて預金金利改定の発表も出ています(例:MUFGの告知)。
Q4. 住宅ローン金利 何パーセントまで上がる?
A. 未来の水準は確定できません。大事なのは「何%までなら家計が耐えられるか」を先に決めて、見直し基準日ごとにチェックすることです。
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情報ソース(一次情報+権威ソース)
本記事は、2025年12月20日時点で、日本銀行および主要銀行の公式告知ページを確認し、政策金利の決定内容と、銀行側の短期プライムレート改定・住宅ローン基準金利見直し情報を突き合わせて作成しました。
金利や返済条件は、金融機関・契約内容・優遇条件によって異なります。最終判断は、各金融機関の最新告知・契約書・返済予定表をご確認ください。
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2025年12月19日)
- 日本銀行 統計「長・短期プライムレート(主要行)の推移」
- 三菱UFJ銀行「円預金金利及び短期プライムレートの改定について」(2025年12月19日)
- 三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」
- りそな銀行「変動金利型:返済額見直し(5年ルール・125%ルール)」
- みずほ銀行「お借入中のローン:金利見直し」
- Reuters(2025年12月19日)
注意書き
- 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の勧誘・助言ではありません。
- 金利・返済額・見直しルールは金融機関や契約条件により異なります。必ず各社の最新告知と契約書をご確認ください。
- 数値の試算は比較のための単純モデルです(元利均等・35年・金利一定を仮定)。実際の返済額や総支払は条件により変わります。
- 不安が強い場合は、金融機関の窓口や専門家への相談もご検討ください。
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