たとえば、子どもの誕生日。
「バズがあなたの名前を呼んで、宇宙船の中でお祝いしてくれる10秒動画」が、もし“公式に”作れたら——。
嬉しい。ワクワクする。たぶん、SNSにも上げたくなる。
でも同時に、胸の奥で小さく警報が鳴るはずです。
- 結局、何ができるの?
- どうすればできるの?(どこから?何を押せば?)
- ディズニーとOpenAIは、何を狙っているの?
この記事は、その3つを公式発表などの一次情報を軸に、生活者目線の言葉に翻訳します。
先に結論:
ディズニーとOpenAIは、OpenAIの動画生成AI「Sora」でディズニー系IPの“公式キャラクター”を使った短尺動画をユーザーが作れるようにする枠組みを発表しています。さらにChatGPTの画像生成でも同IPが扱える見込み。一般向けの提供は2026年初頭が目安(詳細は今後)。そして重要なのが俳優などタレントの声・肖像は対象外という点です。
1. ディズニー×OpenAIで「何ができる」のか
できること①:Soraで“公式キャラ入りの短尺動画”を作れる
要点はシンプルです。OpenAIの動画生成AI「Sora」で、ディズニー/マーベル/ピクサー/スター・ウォーズ等の多数のキャラクターを使った短尺の生成動画を、ライセンスの範囲内で作れるようにする、というものです。
ポイント:
ただ「作れる」だけでなく、“公式に遊べる枠”が用意されることに意味があります。
つまり、創作が「グレー」から「ルールのある遊び場」へ移っていく、という変化です。
できること②:ChatGPTの画像生成でも同じIPを扱える見込み
動画だけではありません。ChatGPTの画像生成(Images)でも同IPを扱える見通しが示されています。サムネ・ポスター・アイコンなど、動画とセットで使う“静止画”が揃うと、体験として一気に完成度が上がります。
できること③:作品の一部がDisney+で紹介される構想
さらに踏み込んで、ユーザーが作った作品の一部をDisney+で紹介(配信)する構想も明記されています。
ここは期待が膨らみやすい一方で誤解も生まれやすいところです。Disney+での紹介は「すべての作品」ではなく、選ばれた一部になる見込み、と捉えておくと安心です。
ミニまとめ:
「Soraで動画」「ChatGPTで画像」「Disney+で紹介の可能性」——この3点セットが“新しい遊び方”の輪郭です。
2. どうすればできる?(最短ルートの地図)
いつから:一般向けは「2026年初頭」が目安
現時点の公表情報では、一般向けの提供は2026年初頭が目安です。開始時期や提供条件は今後の正式案内で変わる可能性があるため、ここでは「目安」として捉えてください。
入口はどこ?:基本は「Sora(動画)」+「ChatGPT Images(画像)」
「どこから始めるの?」に対して、いちばん分かりやすい整理はこれです。
- 動画を作りたい → Sora
- サムネや静止画を作りたい → ChatGPT Images
提供開始後の“基本フロー”(迷わない順番)
提供が始まった後、一般ユーザーがやることは大筋で次の流れになるはずです(細かな画面操作は、開始後の公式UIに合わせて確認してください)。
- Soraにアクセス(動画生成)
- 生成メニューで「ディズニー公式ライセンス枠」を選ぶ(※最重要)
- プロンプト入力 → 生成
- 違和感があれば、プロンプトを直して再生成(“一発成功”より微調整)
- 共有(公開範囲・投稿先は規約に従う)
この中で肝は②の「公式ライセンス枠」です。ここを選べることが、「無断でそれっぽいものを作る」行為とは別物になっていく理由でもあります。

3. 初心者でも失敗しにくいプロンプトテンプレ
プロンプトはセンスより設計です。最初はテンプレで十分。出力が安定します。
基本テンプレ(コピペ用)
登場人物:[キャラクター] 場所:[世界観/舞台] やること:[動作①]→[動作②]→[動作③] 雰囲気:[明るい/感動/コメディ/勇ましい 等] 尺:[10秒/15秒/20秒] カメラ:[寄り/引き/パン/手持ち風 等] 仕上げ:[色味/光/質感/テンポ]
例①:誕生日(家族向け)
登場人物:バズ・ライトイヤー 場所:宇宙船の中、明るく清潔なコックピット やること:カメラに向かって敬礼→小さなプレゼント箱を差し出す→親指を立てて笑う 雰囲気:明るく、元気、子ども向け 尺:12秒 カメラ:最初は寄り、最後に少し引いて背景を見せる 仕上げ:ポップな色味、テンポ良く
例②:日常コメディ(SNS向け)
登場人物:ミッキー 場所:キッチン やること:料理に挑戦→湯気で目が回る→最後は笑顔でサムズアップ 雰囲気:コメディ、可愛い、軽快 尺:10秒 カメラ:手持ち風でテンポ良く 仕上げ:明るい光、動きは大きめ
コツ:
動作は「3つまで」にすると破綻しにくいです。短く、強く。
4. できないこと・注意点(OK/NGの考え方)
注意①:俳優の声・肖像は対象外(ここが誤解ポイント)
一番誤解が生まれやすいのがここです。今回の枠組みは「キャラクターIP」を中心にした話で、俳優などタレントの声や肖像は対象外とされています。
つまり「作品の世界観」を扱える方向に話が進んでも、「特定の俳優本人の顔や声を完全に再現して喋らせる」話とは別です。
注意②:“公式枠”=ルールのある遊び場
「公式に使える」は、「なんでも自由」と同義ではありません。特に気になるのは次のポイントでしょう。
- 商用利用できる?
- 収益化できる?
- SNS投稿はどこまでOK?
- 二次配布(転載)は?
これらは、提供開始時に公開される利用規約・公式ガイドが最終判断になります。使う前に規約の該当箇所を確認しておけば、大きなトラブルは避けられます。
5. ディズニーとOpenAIの思惑(なぜ今、組むのか)
ディズニー側:無断生成の時代に“公式ルート”を作る
AIで「それっぽい作品」が簡単に作れる時代、禁止だけでは現実に追いつきません。
だからこそディズニーは、「完全に締め出す」よりも、公式に遊べる枠を用意し、権利と体験を守りながら“参加型の楽しさ”を広げたい。そう考えると今回の動きは自然です。
OpenAI側:Soraの“使う理由”を強化する
動画生成は「すごい」だけでは普及しません。人は、作りたいものが明確なときに初めて動きます。
そこにディズニー級のIPが入ると、作りたい動機が一気に立ち上がる。Soraの価値を“体験”として強くする、という戦略的な意味が見えてきます。
10億ドル出資の意味:単なる提携ではなく“共同で次を作る”
今回、ディズニーはOpenAIへの10億ドル出資も公表しています。これは「試しに触る」よりも、「一緒に次を作る」意思表示に近い動きです。Disney+の体験拡張や、社内活用まで含めた長期戦として見ると、理解しやすくなります。
6. 提供前にやっておくと差がつく準備
準備①:作りたい“10秒”を言葉にしておく
AIは、あなたの頭の中を勝手に読んでくれません。だから先に、言葉にします。
- 誰に見せたい?(家族/友人/自分)
- 何を伝えたい?(祝う/励ます/笑わせる)
- どんな雰囲気?(感動/コメディ/爽快)
これが固まるだけで、提供開始後に“最短距離”で楽しめます。
準備②:プロンプトの“辞書”を作る
「光」「色」「カメラ」「テンポ」など、言い回しをメモしておくと強いです。これはセンスではなくストック。忙しい人ほど効きます。
準備③:公開先を決めておく(家庭内/SNS/仕事)
同じ動画でも、見せる相手が変わると“正解”が変わります。
「家庭内で楽しむのか」「SNSに出すのか」「制作物として残すのか」を先に決めておくと、迷いが減ります。
FAQ
Q1. ディズニー×OpenAIって、誰でも使える?
公表情報では一般向け提供が進む見込みですが、具体的な提供範囲や条件は今後の正式案内で確定します。開始時に公式ガイドを確認するのが確実です。
Q2. いつから使える?
目安としては「2026年初頭」が示されています(詳細は今後の更新待ち)。
Q3. 俳優の声や顔も再現できる?
少なくとも今回の枠組みはキャラクターIP中心で、俳優などタレントの声・肖像は対象外とされています。
Q4. 収益化(商用利用)はできる?
ここは提供開始時点の利用規約が最終判断です。実際に使う前に、規約の該当箇所を確認してから動くのが安全です。
情報ソース(クリックで飛べます)
本記事は、公式発表を一次情報として最優先し、補助線として複数の報道を参照しています。
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The Walt Disney Company(公式発表:Disney×OpenAI×Sora)
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OpenAI(公式発表:Disney×Sora agreement)
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TechCrunch(報道:ディズニーキャラをSoraで生成へ)
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Yahoo Finance(Reuters配信:投資・契約の要点)
-
Financial Times(分析:Soraの課題と狙い)
注意書き:本記事は2025年12月14日時点の公表情報に基づきます。提供開始時期、利用可能なキャラクター範囲、商用利用・収益化の可否、公開範囲などは変更される可能性があります。実際に利用する際は、提供開始時点の公式ガイド・利用規約を必ず確認してください。


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