朝、ニュースアプリを開いた瞬間に「金が最高値」「銅が過去最高」と並んでいたら、心がザワつきます。
“危ないから金が買われている”のは分かる。でも、なぜ同じ日に「景気の体温計」と呼ばれる銅まで燃えているのか。
答えは、相場がいま「お金の不安」と「モノの逼迫」を同時に映しているからです。
この記事では、金・銀・銅・プラチナ・鉄(※投資では主に鉄鉱石指標で確認)を一枚の地図にまとめ、長期(資産防衛)と中期(トレンドフォロー)の両方で、判断軸がブレないように整理します。
1. まずは最新の「価格」:どの指標を見ているかで意味が変わる
国内の体感に近い:田中貴金属(店頭・税込・1g)
- 金:30,248円/g
- 銀:650.10円/g
- プラチナ:15,114円/g
※2026年1月29日 14:00公表。店頭価格はスポットそのままではなく、税込・小売スプレッドなどが反映されます。
参照:田中貴金属:貴金属価格情報
ニュースで話題になった背景:国内金「3万円台」報道
同日の国内報道として「金の国内小売価格が3万円台」と伝えられています。
参照:テレ朝NEWS:金の国内小売価格 初の3万円台(2026/1/29)
国際市況(ドル建て)の見出し:金は「5200ドル台」報道
金相場が初の5200ドル台に乗せたことが日本語でも報じられています。
参照:ロイター日本語:金相場の上昇続く、初の5200ドル台(2026/1/28)
銅:国内「建値」と国際(LME)をセットで見る
銅は、投資家にとってはLMEの動きが重要ですが、日本での“体感”は国内建値のニュースや推移で掴みやすいです。
銅建値の推移は、業界団体資料でまとまって確認できます。
- 国内銅建値の推移(PDF):日本電線工業会:国内銅建値(月平均)推移表
- 銅建値(企業公表):JX金属:銅建値
- LME銅が一時1万3000ドル突破の報道:ロイター日本語:LME銅価格、一時1万3000ドル突破(2026/1/6)
鉄:投資で見るなら「鉄」より“鉄鉱石(62%)”指標が現実的
「鉄価格」は、株価のように単一のスポットが見えにくいのが実態です。投資の現場では、原料である鉄鉱石(62%)の先物・指数を代表として見ていくのが現実的です。
参照:TradingView(日本語):SGX IODEX 鉄鉱石先物(限月) /
Investing.com(日本語):鉄鉱石(62%)先物 過去データ
2. 「推移」を読むコツ:5つの金属は同じ理由で動かない
金:安全資産だけでなく「ドル」「政策不透明」で動きやすい
金は“危機のときに買われる”で語られがちですが、現実には通貨(ドル)・金利見通し・政策不透明感などが絡みます。
金が5200ドル台に乗せた局面も、ドルの動きと合わせて報じられています。
参照:ロイター日本語(2026/1/28)
銀:金に連動しつつ“振れ幅が拡大”しやすい二刀流
銀は貴金属(資金の避難先)でありながら工業用途でも動きます。相場が熱を帯びると、金よりも加速しやすい一方、逆回転も速い。
長期で持つなら「枚数(比率)で暴れ方を制御する」、中期で狙うなら「サイズ管理と出口ルール」が重要です。
プラチナ:工業需要の顔が強いのに、資金流入で一緒に持ち上がる
プラチナは金ほど“安全資産一本”ではありません。工業需要の影響が濃い一方で、貴金属全体へ資金が流れる局面では、金・銀の熱が波及して一緒に上がりやすい。
国内の目安は田中貴金属の公表価格が分かりやすいです。
参照:田中貴金属:貴金属価格情報
銅:景気だけでなく「供給不安」「資源獲得競争」で跳ねる
銅は“景気の体温計”として有名ですが、足元は供給不足観測や資源獲得競争など、需給サイドの材料で跳ねやすい局面が語られています。
参照:ロイター日本語(2026/1/6)
鉄(鉄鉱石):工業金属の“地盤”を見る指標
鉄鉱石は、建設・製造の血流に近い存在です。金のように逃避先ではなく、景気の足場が崩れていないかを確認するのに向きます。
参照:Investing.com(日本語)
3. 円建て投資の落とし穴:国内価格は「為替」で表情が変わる
日本で金属投資をするなら、避けて通れないのが為替(ドル円)です。
円建て金価格は、基本的に「ドル建て価格×ドル円÷31.1035g(オンス→グラム換算)」という考え方になります。
参照:OANDA LAB:金マーケットの仕組み(円建て価格の考え方)
4. 投資戦略A:長期(資産防衛のコア運用)
長期の主役は、やはり金です。ここで大切なのは「当てにいく」より、ポートフォリオの耐久性を上げること。
A-1. 役割分担(例)
- 守りの柱:金(通貨・政治・信用の揺れへの保険)
- 守りの補助:銀(揺れが大きいので比率は控えめに)
- 別軸:プラチナ(貴金属の流れ+工業需給の影響)
A-2. 長期の買い方:分割+比率管理で“熱狂”に飲まれない
- 分割購入:月次・隔週などで機械的に積む(高値掴みのダメージを薄める)
- リバランス:上がり過ぎたら一部を落として比率を戻す
- 国内価格の注意:店頭価格はスポットと一致しない(税・スプレッド等)
A-3. 長期で“金を持つ理由”を言語化しておく
相場が荒れたとき、いちばん効くのは「自分の目的が明確であること」です。
金を戦略的資産として位置づける考え方は、ワールド ゴールド カウンシルの日本語資料でも整理されています。
参照:ワールド ゴールド カウンシル(日本語):戦略的資産としての金
5. 投資戦略B:中期(トレンドフォローのサテライト)
中期では、相場の芯に近いテーマに絞り、続く限り付き合い、崩れたら淡々と降りるのが王道です。
B-1. いまの“芯”に近い候補
- 金:ニュースとしても高値圏(5200ドル台)が意識され、資金が入りやすい
- 銅:供給不安・資源獲得競争などで材料が燃えやすい
- 銀:加速は魅力だが、反転も速い(サイズ管理が命)
B-2. エントリーの考え方:押し目は「形」で判断する
- 良い押し目:材料は強いまま、短期の利確で下げる(トレンドが生きている)
- 危ない押し目:材料そのものが剥落(ドル反転、需給悪化、地政学の後退など)
B-3. 退出ルール(ここが一番大事):降りる条件を先に決める
- トレーリング:上がった分だけ損切りラインを引き上げる
- 分割利確:“全部売る/全部持つ”の二択にしない
- 鉄鉱石の崩れ:工業金属(銅)を持つなら、地盤が崩れていないかの確認材料にする
6. よくある誤解:検索すると「価格」がバラバラなのはなぜ?
Q. 金・銀・プラチナは、なぜ数字が揃わない?
A. 見ている市場が違うからです。
店頭(小売/買取)、国際スポット、先物は条件が違います。日本の店頭価格は税込・スプレッド等が含まれ、体感には近い一方で、スポットと単純一致しません。
参照:田中貴金属:貴金属価格情報
Q. 「鉄 価格」は、どれを見ればいい?
A. 「鉄」そのものより、投資では鉄鉱石(62%)や鋼材で見るのが現実的です。この記事では代表として鉄鉱石(62%)先物の過去データやチャートを参照先に置きました。
参照:Investing.com(日本語):鉄鉱石(62%)先物 過去データ
まとめ:いまの相場は“同時多発のサイン”を出している
- 金は安全資産だけでなく、ドルや政策不透明感を映して動きやすい(5200ドル台報道)
- 銀は二刀流ゆえに加速しやすいが、反転も速い(比率と出口が重要)
- プラチナは工業需要の色が強い一方、貴金属の資金流入が波及しやすい
- 銅は景気だけでなく、供給不安・資源獲得競争で跳ねやすい(1万3000ドル超の報道)
- 鉄は“鉄鉱石”で景気の地盤を確認する(工業金属保有者の安全装置)
- 長期は「分割+比率管理」、中期は「サイズ管理+退出ルール」が勝ち筋
相場は、いつも“正しい説明”より先に、“値段”で本音を言います。
金属相場が同時に騒がしい今は、世界が何を恐れ、何を欲しがっているのかが、いつもより露骨に映っている。
そのサインを、あなたの資産防衛とチャンス取りに、静かに活かしていきましょう。
情報ソース(参照・引用)
本記事は、国内の一次情報として田中貴金属の公表価格(店頭小売/買取、円/g)を基礎に、国内報道(テレ朝NEWS)で話題化した論点を確認しました。国際市況の動きや主要金属のニュース背景はロイター日本語版の市況記事を参照し、銅については日本電線工業会の「国内銅建値(月平均)推移表(PDF)」およびJX金属の銅建値ページで国内の見え方を補強しています。鉄については投資で参照されやすい鉄鉱石(62%)の先物データを、Investing.com(日本語)やTradingView(日本語)で確認できる形に整理しました。
- 田中貴金属:貴金属価格情報(店頭価格)
- テレ朝NEWS:金の国内小売価格 初の3万円台(2026/1/29)
- ロイター日本語:金相場の上昇続く、初の5200ドル台(2026/1/28)
- ロイター日本語:LME銅価格、一時1万3000ドル突破(2026/1/6)
- 日本電線工業会:国内銅建値(月平均)推移表(PDF)
- JX金属:銅建値
- Investing.com(日本語):鉄鉱石(62%)先物 過去データ
- TradingView(日本語):SGX IODEX 鉄鉱石先物(限月)
- OANDA LAB:金マーケットの仕組み(円建て価格の考え方)
- ワールド ゴールド カウンシル(日本語):戦略的資産としての金
注意書き
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。価格は市場環境・為替・流動性によって大きく変動します。投資判断は、ご自身のリスク許容度・投資期間・資産状況に照らし、必要に応じて専門家へ相談のうえで行ってください。


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